2014年3月17日月曜日

彼岸入り


[詞書] 初瀬にまうづるごとに宿りける人の家に久しく宿らで、程へて後に至れりければ、かの家のあるじ、かくさだかになむ宿りはあると、言ひいだして侍りければ、そこに立てりける梅の花を折りてよめる

人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける  紀貫之 (古今42)

訳注 初瀬 長谷寺

 長谷寺の11面観音の御霊験はあらたかで、源氏物語では玉鬘が母夕顔の侍女で今は源氏に仕える右近に再会した。これを機縁として、貴種流離の身から、玉鬘は源氏の子として養われ、幸せを掴むことになる。

  明日は彼岸入り。観音様の縁日でもある。當麻寺の十一面観音は、「導き観音」と呼ばれ、中将姫さまが後の世の女性の幸福を祈られたことから、特に女人の守り本尊といわれるようになったと云う。中でも、良縁の祈願や、安産に効験があるとして腹帯のお加持を受けられる者が多く、また、子授け祈願や、肌着の加持も古くから知られている。他に男女問わず、「息災」つまり「厄除け」の本尊様としても知られ、ご宝前にて息災のご祈祷を受けることができると云う。
 現代でも、観音様の御霊験はあらたかで、先日も親戚の葬式で他人から、戦争に行って6人全員無事に帰ってこれたのは、近所ではうちの家位だったそうだ。大概は死んだんだと云う。これは祖父が信心深く、11面観音を山で拾って、おまつりしていたためではないかと思う。若狭地方は泰澄大師が、11面観音を信仰し、奈良時代の大仏建立位まで活躍され、山岳を中心に修行されたところであるから、山で観音様を拾うのはありえるだろう。
 西野カナさんという歌手がいるが、彼女の略歴をみると、観音様との縁の深さを思い知る。誕生日は3月18日で、名古屋の学生時代には大須観音の近所に住んでおり、祈願していたとのことである。その後、ヒットを飛ばし、今日では確固たる人気と地位を築いてしまった。大須観音は、能信上人が当寺の開創にあたり、伊勢大神宮に百ヶ日間おこもりになり、ある夕べの霊夢に、「大慈大悲の観世音こそは利益無量、この世の人びとに、もっともありがたいお方である。」とのお告げをえられ、そのうえ観世音の貴いお姿を拝されたと云う。大須観音と伊勢神宮の御縁は深い。西野カナさんも松阪出身だから、当然お伊勢さんとも縁が深い。観音様の奇跡は、拙著「西国33ヵ所巡礼の旅」で述べた。http://www.amazon.co.jp/dp/B00CQRLCQQ

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